英語における倒置は、様々な文脈で使用され、文に特別な効果をもたらします。この記事は、倒置を特集したシリーズの第3弾で、特に仮定の文脈での倒置に焦点を当てています。以前の記事では、「否定の倒置」と「強調語句が文頭に来る倒置」を扱いました。仮定法については、別の記事で詳しく解説しています。
仮定法の倒置の基本:
条件節の省略(Ifの省略)
仮定の文脈での倒置は、主に「if」を含む条件節を省略する際に見られます。この形式では、主語と助動詞を逆にすることで、文の冒頭に助動詞が来ます。(下記の過去完了の例については、下で再度扱っています。)
例文と解説
- 通常形式: If I had known about the party, I would have gone.
- 倒置形式: Had I known about the party, I would have gone.
- この倒置は、もし知っていたら行っただろうという未実現の可能性を強調しています。
「Only if」を残したまま、倒置が起こるパターン
「Only if」の文はよく見かけるので独立してとりあげます。
例文と解説
- 通常形式: I will attend the meeting only if my manager approves.
- 倒置形式: Only if my manager approves, will I attend the meeting.
- この倒置は、マネージャーの承認が条件であることを強調しています。
仮定法の倒置:
仮定法の倒置に限りませんが、節が二つある場合、どちらが倒置するのか迷うことはありませんか。下記がそのルールになるので覚えて置きましょう。日本語で「もし~なら」という意味を含んでいる方の節を倒置します。但し、As~、With~のように、仮定を表す表現が句である場合は、その後の完全文が倒置します。
- 「もし~なら」の意味を含む節が倒置される例
- 倒置された条件文: Were she to arrive early, she could prepare for the meeting.
- この例では、「もし彼女が早く到着すれば」という意味の節「If she were to arrive early」が倒置されています。
- “As~”や”With~”のような句の後に続く完全文が倒置される例
- 倒置された文: With the deadline approaching, worked the team more efficiently.
- この例では、”With the deadline approaching”という句の後に続く完全文「the team worked more efficiently」が倒置されています。
仮定法現在の倒置
「should」+ 動詞原形を使うこのタイプの倒置は、現在または未来の事実に反する仮定を表します。
例文と解説
- 例: Should it rain tomorrow, the match will be cancelled.
- この倒置は、もし明日雨が降れば試合が中止になるだろうという可能性を示しています。
仮定法過去の倒置
「were」+ 主語を使うこのタイプの倒置は、現在の事実に反する仮定を表します。
例文と解説
- 例: Were I you, I would accept the offer.
- この例では、もし私があなたならその申し出を受け入れるだろうという仮定を表しています。
Wasでも間違いではありませんが、仮定法であることを示すために、wereを用いることが普通です。
仮定法過去完了の倒置
「had」+ 過去分詞形式を使うこのタイプの倒置は、過去の事実に反する仮定を表します。
例文と解説
- 例: Had she studied harder, she could have passed the exam.
- この例では、もっと一生懸命勉強していれば試験に合格できたかもしれないという未実現の可能性を示しています。
仮定法の文脈での倒置:まとめ
この記事では、仮定法現在、仮定法過去、仮定法過去完了の文脈での倒置について解説しました。倒置は、英語の文法でも幅広い概念なので、もれなくマスターしましょう。他の倒置の形式については、シリーズの他の記事をご参照ください。また、仮定法についてさらに深く学びたい方は、こちらの記事をご覧ください。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 補足: この形は、過去の事実(一生懸命勉強しなかった)とその結果(試験に合格しなかった)を表現しています。仮定法の倒置については特化して書いた記事もあるので深堀りたい人は参照してください。 […]