※倒置には大きく分けて2種類あります。否定の倒置は知っているけど、強調構文としての倒置が分からない方はこちらを参照してください。 この記事では否定語が文頭の倒置のみを扱っています。
否定語+ SV(主語+動詞)の場合
例: “Never do I lie.”
:「I never lie」の形が 「Never do I lie.”」になります。目的は否定の意味の強調です。
「私は決して嘘をつかない」
否定語+ SVO(主語+動詞+目的語)の場合
例: “Rarely do I eat sweets.”
「I rarely eat sweets」の形が「Rarely do I eat sweets」になります。否定語+疑問文の並びです。
「私はめったに甘いものを食べない」
否定語+ SVC(主語+動詞+補語)の場合
例: “Little did I know.”
「I knew little.」の形が「Little did I know」になります。
「私はほとんど知らなかった」
否定語+ SVOO(主語+動詞+目的語+目的語)の場合
例: “Seldom do I give my brother advice.”
「I seldom give my brother advice」の順序が「Seldom do I give my brother advice」になります。
※もとの文の時制に気をつけましょう。この文の場合は現在形なのでdoですが、過去形ならdidが適切です。 「私はめったに弟にアドバイスをしない」
否定語+ SVOC(主語+動詞+目的語+補語)の場合
例: “Only then did I realize my mistake.”
「I realized my mistake only then」の順序が「Only then did I realize my mistake」になります。
※否定語と言っても、1語ではなく否定語のセットとして前に出ることもあります。
「その時初めて私は自分の間違いに気づいた」
否定語+ 特殊なケース
例: “No sooner had I arrived than the phone rang.”
「私が到着したとたんに電話が鳴った」「I had no sooner arrived than the phone rang」の順序が「No sooner had I arrived than the phone rang」になります。
※”No sooner”が否定語のセットとして前にきています。 この表現は詳しく説明しているのでぜひ参考にしてください。
文頭によく出る、 否定語のリストと訳
Never | 決して~ない |
Seldom | めったに~ない |
Hardly | ほとんど~ない |
Rarely | めったに~ない |
Little | ほとんど~ない |
Nowhere | どこにも~ない |
Neither/Nor | ~もまたない |
Not only | だけでなく~ない |
No sooner | ~するとすぐに |
Not until | ~するまで |
Not a single | 一つも~ない |
On no account | どんな理由があっても~ない |
Under no circumstances | どんな状況でも~ない |
In no way | まったく~ない |
By no means | 決して~ない |
まとめ
否定語が文頭に来る「倒置」は、一般的に考えられる主語と動詞の入れ替わる倒置ではなく、その否定語の後に疑問文の形を取ります。これに対して、特定の単語の意味を強調する目的で、O(目的語)や C(補語)が文頭に出てくる場合は、文字通り主語と動詞の位置がひっくり返ります。 こちらを参照してください。 この2つのパターンを区別して覚えておくことが重要です。
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] soonerという否定句が強調のために文頭にくるからです。これは否定語/否定句が文頭にくるパターンの倒置の形を取ります。つまりNo sooner以下は疑問文と同様の語順になり […]
[…] 英語における倒置は、様々な文脈で使用され、文に特別な効果をもたらします。この記事は、倒置を特集したシリーズの第3弾で、特に仮定の文脈での倒置に焦点を当てています。以前の記事では、「否定の倒置」と「強調語句が文頭に来る倒置」を扱いました。仮定法については、別の記事で詳しく解説しています。 […]